【GAS】スプレッドシートの複製・再配布を防止する方法

Q.Man

Google Spread Sheetで作成したツールを販売したい。けど、スプレッドシートを複製されて、無料配布されてしまう…。どうにか対策できないかな？

P.Man

あ、その悩みなら解決できると思うよ？

Google Spread SheetにGAS(Google Apps Script)を埋め込んで、汎用性の高いツールを作ったから販売したい！と考えている方にとって、スプレッドシートの複製・再配布は天敵ですね。これを防止する方法を紹介します。

スプレッドシート複製の対策
1. 実装方法
最後に

スプレッドシート複製の対策

スプレッドシートには「スプレッドシートID」というものが存在します。このシートIDで複製シートを見分ける仕組みをプログラムに実装します。

実装方法

それでは、具体的な実装方法を解説していきます。

１：スプレッドシートID管理用のスプレッドシートを準備

まず、スプレッドシートID管理用にスプレッドシートを準備しましょう。公開設定は「リンクを知っている人全員」にします。シートの中身はこんな感じです。

赤線部分がスプレッドシートIDです。※購入日や購入者識別IDは不要

２：GASにスプレッドシートID比較処理を挿入

続いて、GASにスプレッドシートIDの比較処理を実装します。利用する情報は以下。

スプレッドシートID管理用スプレッドシートのシートID
GAS実行シートのシートID

次のような関数を実装します。

//スプレッドシートID管理用スプレッドシートのシートID
const LICENCESHEETID = 'スプレッドシートID管理用スプレッドシートのシートID';
//スプレッドシートID管理用スプレッドシートのシート名
const SHEETNAME = 'license';
//スプレッドシートID管理用スプレッドシート上の参照する列
const COL_SHEETID = 4;

//関　数：checkLicense
//引　数：sheetId > GASが実行されるシートID
//戻り値：0:スプレッドシートIDが正しい、-1：スプレッドシートIDが正しくない
function checkLicence_(sheetId){
  //スプレッドシートID管理用スプレッドシートを取得
  let ss = SpreadsheetApp.openById(LICENCESHEETID);
  let sheet = ss.getSheetByName(SHEETNAME);

  //登録されている最大行を特定
  let mxR = sheet.getRange(sheet.getMaxRows(), COL_SHEETID).getNextDataCell(SpreadsheetApp.Direction.UP).getRow();
  if(mxR < 1 ){mxR = sheet.getMaxRows()};

  //シートIDを配列valuesに格納
  let values = sheet.getRange(2,COL_SHEETID,mxR,COL_SHEETID).getValues().flat();

  //valuesの値を引数「sheetId」と比較
  for(value of values){
    if(value === sheetId){
      return 0;
    }
  }
  return -1;
}

この「checkLicence_」を販売したいGASのスクリプト先頭に挿入しましょう。実装例は以下です。

function main(){
  //GAS実行シートのシートIDを取得
  let ss = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  let sheet = ss.getSheetByName(WSNAME);
  let sheetId = ss.getId();

  //checkLicenceで複製シートか確認「-1」は複製シート
  if(checkLicence_(sheetId) === -1){
    Browser.msgBox('本スプレッドシートは不正にコピーされているため利用権限がありません。');
    return 0; //強制終了
  }

 //↓↓ココから下が本来の処理
}